操られる魂と引きずられる魂
人間だけでなく生物にはさまざまな細菌や寄生虫、ウィルスが感染する。
感染したとしてもほとんど無害なものもあるが、感染した場合生物の体内で
害を与えるものもある。
増殖するだけに伴わないで細胞を破壊したり毒素を出したりして害を与える。
しかし…有害といってもいろいろあって。
ある寄生虫の場合鳥類とアリやダンゴムシを宿主としている。
鳥類には害を与えないのだ。
アリやダンゴムシに感染した場合、ちと変わった反応をする。
その反応とは、行動パターンを変えるというものだ。
ダンゴムシの場合、通常暗いところに潜んで暮らしている。
ダンゴムシ捕まえてどこに行くかを追ってみると、暗いところに隠れようと
する行動を見せる。
ところが、この寄生虫が感染すると暗いところから明るいところに
向かう性質になってしまうのだ。
当然普段暗いところにいるダンゴムシは明るいところに出てくると、
鳥の餌食になってしまう。
それで鳥の餌食になったダンゴムシは寄生虫とともに内臓から鳥に
感染することになる。
感染といってもフンの中にまぎれているわけなのだが。
フンにまぎれて空を飛んでゆく。そして遠く離れたところでフンとともに
再び地上に落ちる。
そしてまたダンゴムシやアリに感染して…こうしてどんどんと
増殖を繰り返してゆくのだ。
行動そのものを寄生虫が変えてしまう…人間にこんなのが感染したら…
まぁ実際この寄生虫が人間に感染なんかすることは無いけどよ。
あーよかったよかった。
あくまで人間以外の話だからなあ。寄生虫が人間に感染して人間の行動を
左右するなんてことは無いわけで。
…だからといって人間に感染するものがたいしたこと無いかというと…。
人食いバクテリアのようにわずか48時間で人体をズタぼろにするもの、
エボラウィルスなんかもそれに匹敵するわな。
そんな中そいつらに匹敵するえげつない菌が存在する。
ある土の中に住む菌なのだが、こいつがかなりの曲者なのだ。
あるアメリカ人が土壌調査をしていた。
そして調査が終わって帰り道、飛行機に乗ったとき体調の不調を感じた。
ついにぶっ倒れてしまった。
彼はすぐさま病院に担ぎ込まれたが、そのまま意識を失い死んでしまった。
病理解剖の結果恐ろしいことがわかったのだ。
脳が菌だらけになって腐ってぐちゃぐちゃになっていたのだ。。
この細菌は実はこういう風に増殖していることが後でわかった、
まず哺乳類の体内に侵入する。
体内に侵入したあと、脳内に血液の流れに乗って侵入する。
その後、脳にたどり着いたら爆発的に増殖する。
そして…死に至らしめる。
死んでしまったあと、普通の動物なら土に帰る。
そして…分解してしまう。分解したあと、菌も土に帰るのだ。
恐ろしい増殖法である。
菌やウィルスではないが、プリオンによるヤコブ病も考えてみたら
増殖…正確には同じ性質のものに変異する。
そして脳を溶かし死に至らしめる。
もともとはイギリスのある地方の風土病だったらしい。
それがいまや全世界に広がってしまうとは。
土の中にはこんなにも恐ろしいものが存在するんだなあと。
地の底から魂を操り魂を地の底に返すもの…それは神なのか悪魔なのか。